• トップ
  • G-DEPについて
  • ご購入ガイド
  • サポート
  • お問い合わせ

G-DEPトップ  >  G-DEPの高速演算記  >  高速演算記 第16回 「特別寄稿」 東北大学大学院情報科学研究科 滝沢寛之先生

高速演算記 第16回 「特別寄稿」 東北大学大学院情報科学研究科 滝沢寛之先生

今回の高速演算記第16回は私共G-DEPが技術指導を頂いております東北大学大学院情報科学研究科の滝沢寛之先生に
11月米国シアトルで開催されたSC11のレポートをご寄稿頂きました。

滝沢寛之先生 プロフィール
 

はじめに

 今年、高性能計算分野の最高峰会議であるSC11は、米国シアトルで開催されました。すでに日本でも大々的に報道されたとおり、今回のSC11では、京コンピュータが史上初めてLinpack性能で10Pflop/sを達成し、2期連続でTOP500(http://www.top500.org/)の頂点に立ちました(図1)。また、実アプリケーションにおける実効性能に基づいて表彰される、栄誉あるゴードンベル賞の最高性能賞も受賞しました。さらには、スーパーコンピュータ(以下、スパコン)の性能を多角的に評価するHPC Challenge Benchmarkという性能評価指標(http://www.hpcchallenge.org/)でも、4部門全てで1位となって表彰されました。複雑かつ多様なスパコンの性能を比較するのは容易ではありませんが、TOP500におけるLinpack性能だけではなく、他にも様々な尺度で比較してみて京コンピュータの性能が世界一であることが実証されました。[1]

図1:京コンピュータが10Pflop/sを超える性能を達成して世界一に!

 一方、登場時期から考えて京コンピュータの最大のライバルと目されてきた米国NCSA(National Center for Supercomputing Applications)のBlue Watersについても、SC11開催期間中に大きなニュースが流れました。ご存じのとおりBlue WatersはIBMが受注して開発を続けてきたスパコンであり、当初は同社のPOWER7プロセッサを使ったシステムになる予定でした。しかし、開発費があまりにも肥大化したため、IBMが開発から撤退するというニュースが8月に流れたばかりです。今回流れたニュースによると、NCSAは新たにCrayと契約し、新Blue Watersは次世代GPU(Kepler)を使った大規模GPUスパコンとして構築されることになりました。Blue Watersは、元々、実用的なアプリケーションに対して実際に発揮される性能(実効性能)を重視するプロジェクトです。そこで大規模GPUスパコンが採用されたということは、GPUの実用性が高く評価された結果であり、大きな意義があります。他にも、ORNL(Oak Ridge National Laboratory) Titanなどの超大規模GPUスパコンの構築が決まっており、日本や中国に後れを取っていた米国でもいよいよ本格的にGPUスパコンの構築が始まった感があります。大きなスパコンセンターで採用されて利用者が増えることによって、GPUスパコンを対象としたアプリケーション開発が今後さらに加速されていくことでしょう。
 

GPUコンピューティングの動向

 SCでは例年、日曜日と月曜日にチュートリアルや併設ワークショップが開催され、火曜日から本会議が始まります。今年の本会議最初の基調講演はNVIDIA社のJen-Hsun Huangによるものでした。その注目度は高く、会場が満員になるのは当然として、会場に入れなかった人が講演を聴くための部屋も定員オーバーであふれてしまったそうです。
 
 プロセッサによる消費電力の内訳を解析してみると、命令スケジューリングやデータ転送に要する電力は、演算器で消費する実際の計算に必要な電力の何十倍にもなります。この解析結果から・・・

続きを読むには...

この記事は会員限定のため、G-DEP会員登録(無料)が必要となります。
未登録の方は「登録」ボタンをクリックしG-DEP会員登録を行ってください。
※会員登録をされますと記事の閲覧の他、コメント投稿も可能になります。

新規登録  ログイン